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令和4年8月29日「全国1万か所以上の事業所で違法な時間外労働を確認(厚生労働省調査)」
2022年8月29日
令和3年度に労働者からの申告など各種情報から
時間外・休日労働時間数が1か月あたり80時間を超えていると考えられる事業場や
過重労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場を対象に立入調査を実施
その結果が公表されました。
対象事業場は全国で32,025か所、そのうち10,986か所(34.3%)で違法な時間外労働が確認
1か月あたり80時間を超える時間外・休日労働が認められた事業場は4,158か所(37.8%)
100時間を超える事業場は2,643か所(24.1%)にも上っています(賃金不払い残業は2,652か所で8.3%)。
時間外労働については、近年、従業員の健康面への影響が注視されています。
「過労死」の労災認定では、医学的な知見(脳・心臓疾患の認定基準)を基に行われていますが
この中で1日の睡眠時間がどのくらい確保できるかの視点から、時間外労働(1か月)との関係を
以下のとおりとしています。
・80時間超(1日4時間程度):1日の睡眠時間6時間未満、狭心症や心筋梗塞の有病率が高い
・100時間超(1日5時間程度):1日の睡眠時間5時間以下、脳・心臓疾患の発症率が高い
過重労働による脳・心臓疾患や精神障害等の事案で
会社は、労働者が過重労働により心身の健康を損なわないよう注意する義務(健康配慮義務)を負うとされています。
自社の従業員の労働時間について、行政の基準や指針に沿った形で適正に管理ができているか
この機会に改めて精査することも必要でしょう。
厚生労働省では、今後も長時間労働の是正に向けた監督指導など、積極的な取組みを行っていくとしています。